平成19年度事業報告

第1:一般概要
 (1)事業報告

 2007年度は、これまで市内18小学校区のうち当法人が運営する15児童クラブで、法人が運営場所を設置する『委託業務』を主体に行われていたが、建物の公設化が進み、茅ヶ崎市が設置する児童クラブが多くなり、『委託業務』の施設と『指定管理者業務』の施設が同数の規模になってきた。『委託業務』と『指定管理者業務』の業務内容の違いは基本的に、児童クラブへの入所の決定に違いがある。『委託業務』では市長が入所の決定を行うが、『指定管理者業務』では、指定管理者が入所の決定を行う。現在、大きく2種類の事務内容があり、事務作業を繁雑にしている。また、おやつの会計、延長保育、夏期保育等自主事業の位置づけの内容もあるため、保護者会がクラブ単位で運営を行っていた時代と比較すると膨大な事務量となっている。児童クラブを運営していくうえでも法令遵守が基本的な考え方であるから、法人に課せられた申請、届出、契約等の専門知識を必要とする、煩雑な事務が今後も多くなってくると考える。
事業の実施にあたって事務管理業務は、育成料等の収納業務が口座振替になり、現金を職員が扱うものは、運営費と延長保育料のみになっている。口座振替にしたことで、預金不足等による振替不能で、資金回収に経費と時間がかかるようになっている。過年度保護者会で収納業務を行っていたときの、育成料が入金されていない利用者がいる。これまで督促業務については、保護者会の保護者同士で行われてきたが、今後はこの分を含め法人で行うことになった。法人で行う督促業務は、『支払督促』『少額訴訟』等法的な手段をとり、給与等の差押えも視野にいれるため、保護者が勤務するところから『就労証明書』を発行してもらい、入所時に提出することになった。今年度は、『公の施設の指定管理者の監査』が実施され『小出児童クラブ』が対象となった。保護者会管理の時代から引継がれたやり方で一部やっていたため、監査の結果、留意・検討すべき事項があり通知され、今後改善しなければならない。今年度も『指定管理者指定申請』が2件あり、1月に応募し、3月議会で承認され、20年度より指定管理者業務を開始する。

保育業務については、理事会で決定された『一日のスケジュール』も、クラブにうまく浸透できず、できているクラブとできないクラブの差がある。このような状況を把握し改善していくうえでも、クラブでどの様な保育が行われているか、早急に把握する必要がある。また、今年度は職員の退職による欠員を、うまく補充ができない年でもあった。このことは、保育の質に直接影響があるため、深刻な問題でもある。
今年度は、全クラブに『防災ずきん』を備え付けた。また、屋外の保育時に対応するために、『防犯ベル』を携行できるように全クラブに備え付けた。クラブの危機管理に対応するため、全保護者、職員を対象に『CAPプログラム』の研修を実施した。児童については、2ヶ所の児童クラブで行い、今後他のクラブで順次行って行く予定でいる。また、20年度の入所予定の児童の増加から、松浪児童クラブに第2クラブを設置し、4月から運営していく。今後は、施設の広さに問題があったり、利用児童の増加を予想する等、早い時期に第2クラブ設置の判断をし、スムーズに準備が運べるように、担当課と協議しながら進めて行く予定である。
おやつの食材の一括購入は、リスクの分散、食品の安全管理、購入業務の負担軽減等の目的で行っているが、中国製食品の使用があったことや原油高による資材の高騰等、色々な問題提起があり、『おやつの意義』を含め見直しを進めているが、職員の不足により、時間をかけられる状態ではないため、解決には至ってない。

職員の採用については、17年度から18年度にかけ、将来的な利用児童の増加を見込み、1クラブ常勤職員2名体制にするため採用を進めてきた。この間新規職員の育成、指導を2名体制で行ってきたが、うまく機能できなかった様でもある。また、1クラブ常勤職員2名体制は、職員の精神面等でも色々な問題が提起された。そのような理由もあり、クラブの常勤職員の新規採用を控えた面もある。10月には、今後の方向性を明らかにするためにも、クラブ常勤職員の面談を行った。福祉事業全般の求人不足は、当法人もご多分にもれず該当し、職員の自己都合退職、定年退職による欠員を、うまく補充ができない年でもあった。求人をしても応募が少ない状況の中で、20年4月で2つの児童クラブで常勤職員がゼロになることが判り、2月初旬に職員に提起し、3月初めに人事異動を発表し、4月1日付け発令で実施するようにした。クラブの引越しや新年度も重なり、準備期間もないため、保護者会から色々な問題提起があった。人事異動については、保護者会運営ではなかったため、法人組織になり19年5月に初めて実施している。このときも心情的な問題があったが、法人が通過していく関門として理解すべき事である。

 こども達の安全な生活を100%保障できることが今年度も望まれたが、怪我等の事故が別表2の如く発生している。各クラブに配属される保育にあたる職員の適切な配置が効率よく配置されているか検証することや、自主研修の充実、外部研修等に積極的に参加できる体制づくりを含め、20年度は保育業務の質の向上を図る必要がある。


 (2)活動報告

 今年度は、6月の総会前に、市議会各会派に総会議案書を持参し簡単な懇談を行った。6月の総会終了後に、マリンキッズクラブ保護者会からクラブを4年生以上も利用できる様に『署名活動』実施の提案がされ、9月議会に間に合うように行うことが決まった。7月後半から8月にかけ、市内4ヶ所のクラブで保護者と市議会議員が参加し『議員懇談会』を開催し、市内の児童クラブの現況等を参加した議員と意見交換等を行った。また、7月から始めた署名活動は、署名活動をおこなっていない保護者会があることが判明し、最終的には全保護者会で実施できたが、9月議会に間に合わせることができなかった。今回の署名活動は、保護者のみで実施した保護者会、地域にも協力を仰ぎ署名活動を行った保護者会があった。結果として12月議会に26,740筆の署名とともに『児童クラブの入所対象児童の拡充と茅ヶ崎市単独補助の実施』の陳情を議会に提出した。12月議会の環境厚生常任委員会では、委員会で取り上げられ、結果として『継続審議』扱いとなった。議会終了後、今回提出した陳情項目の文言では、一部の議員の賛同しか得られないことが判り、多くの議員の賛同を得るために、12月議会に提出した『陳情書』を一旦取り下げ、3月議会に文言を整理した『陳情書』を再提出することになった。この陳情書に基づき平成20年3月18日茅ヶ崎市議会では、神奈川県知事に『児童クラブに関する神奈川県単独補助実施に関する意見書』の提出を可決した。この陳情書の提出により、茅ヶ崎市の学童保育は、19年度入所児童からは、原則1~3年生までとなっていたものが、今後は、1~3年生の間で利用した児童は、クラブの定員に余裕があれば、運営費算定等の対象児童にはならないが、4年生以降も引き続き利用できる様に変った。職員である指導員の処遇改善についても、21年度予算に要求できるように担当課と話し合いを進めるように合意している。

 第2:管理業務の状況
 1 役員等

(1)第3回定期総会(平成19年6月17日開催)において本日付で理事22名を再任し、3名退任、3名が各々就任した。
(2)平成19年9月20日付けで、理事18名退任した。
 
 2 会議
 (1)総会

本年度の総会を、以下のとおり開催した。
①第2回定期総会 
ⅰ 開 催 日 平成19年6月17日(日)
Ⅱ 場  所 茅ヶ崎市青少年会館2Fホール
ⅲ 議決事項
   第一号議案 2006年度事業報告承認に関する件
   第二号議案 2006年度収支決算報告承認に関する件
   第三号議案 2007年度経営方針及びクラブ運営方針承認に関する件
   第四号議案 2007年度事業計画承認に関する件
   第五号議案 2007年度収支予算承認に関する件
②臨時総会 
ⅰ 開 催 日 平成19年9月8日(土)
Ⅱ 場  所 茅ヶ崎市青少年会館 研修室
ⅲ 議決事項 議 案  第1回補正予算に関する件
 
 (2)会長会議

市内18クラブの保護者会会長が、クラブの運営に係る課題や法人の組織体制の確立等に向け、以下のとおり開催した。
①第5回 平成19年6月13日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 組織について
②第6回 平成19年9月8日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 ⅰ署名活動について ⅱ会長会議について 
     ⅲ後援会組織について
③第7回 平成19年11月10日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 ⅰ署名活動について ⅱ入所までの流れについて
     ⅲ会長会議について ⅳおやつについて
     ⅴ後援会組織について
④第8回 平成19年12月8日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 ⅰ署名活動について ⅱ会長会議について 
⑤第9回 平成20年1月12日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 ⅰおやつについて  ⅱ陳情について
⑥第10回 平成20年2月2日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 ⅰおやつについて  ⅱ陳情について 
     ⅲ20年度指導員体制について  
     ⅳつくしんぼクラブの現状について
⑦第11回平成20年3月1日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 議題 ⅰおやつについて  ⅱ陳情について 
     ⅲ20年度指導員体制について  
 
 (3)理事会

本年度の理事会を、別表1のとおり開催した。
 
 (4)議員懇談会 

茅ヶ崎市議会議員との懇談会を、市内18学区を4ブロックに分け以下のとおり開催した。
①平成19年8月07日 学童保育所てんとう虫クラブ
 参加保護者19名  参加市議会議員5名  
②平成19年8月10日 茅ヶ崎市梅田児童クラブ(つくしんぼクラブ)
 参加保護者19名  参加市議会議員6名  
③平成19年8月21日 茅ヶ崎市東海岸児童クラブ(マリンキッズクラブ)
 参加保護者22名  参加市議会議員4名  
④平成19年8月24日 茅ヶ崎市小和田児童クラブ(ピノキオクラブ)
 参加保護者16名  参加市議会議員5名  
 
 (5)その他 

平成19年11月5日(月)市役所において、市長と理事長及び事務局長が出席し『懇談会』を開催した。

 3 事務局

平成20年3月31日現在における事務局については、常勤職員1名、非常勤職員4名で構成し、経理業務・登記業務・申請業務等の管理業務を行った。
 
 4 登記事項

平成19年7月10日 理事(3名就任)変更登記及び資産総額変更登記
平成19年9月20日 理事(18名退任)変更登記
 
 5 申請、届出及び報告書事項

平成19年 4月 1日 育成料承認申請書
平成19年 4月 1日 開所時間承認申請書
平成19年 4月17日 茅ヶ崎市法人市民税の減免申請
平成19年 4月  日 委託業務完了届(9クラブ)
平成19年 4月  日 管理運営業務完了届(指定管理者・6クラブ)
平成19年 5月12日 労働保険 概算・確定保険料申告書
平成19年 5月14日 給食施設 住所変更届(かぜの子くらぶ)
平成19年 5月14日 給食施設 住所変更届(きかんしゃクラブ)
平成19年 6月 1日 神奈川県 所在地変更届(てんとう虫クラブ)
平成19年 6月17日 神奈川県 定款変更(19年9月20日認証)
平成19年 7月 6日 社会保険被保険者報酬月額算定基礎届
平成19年 7月20日 委託業務完了届(マリンキッズクラブ)
平成19年 7月21日 育成料承認申請書(マリンキッズクラブ)
平成19年 7月21日 開所時間承認申請書(マリンキッズクラブ)
平成19年 8月 2日 社会保険被保険者賞与支払届
平成19年 8月16日 給食施設 施設住所変更届(マリンキッズクラブ)
平成19年 9月12日 給食施設 代表者変更届(15クラブ)
平成19年12月15日 社会保険被保険者賞与支払届出
平成20年 1月21日 鶴嶺児童クラブ指定管理者指定申請書
平成20年 1月21日 香川鶴嶺児童クラブ指定管理者指定申請書
平成20年 1月23日 給与支払報告書
平成20年 1月31日 平成19年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
平成20年 1月31日 償却資産申告書
平成20年 2月27日 茅ヶ崎市後援名義使用申請(20年度運動会)
平成20年 2月27日 市体育施設優先予約申請(20年度運動会)
平成20年 3月12日 茅ヶ崎市特定退職金共済掛け金補助金申請  

 6 契約に関する事項

平成19年 4月 1日 委託業務契約(9クラブ)
平成19年 4月 1日 年度協定締結(5クラブ)
平成19年 4月 1日 基本協定/年度協定締結(茅ヶ崎児童クラブ)
平成19年 4月 1日 職員雇用契約(常勤28名、非常勤75名、事務局5名)
平成19年 4月 1日 総合警備保障㈱ 警備業務委託(浜之郷児童クラブ)
平成19年 4月 1日 建物賃貸契約(まつぼっくりクラブ)
平成19年 4月 1日 建物賃貸契約(いるか倶楽部)
平成19年 5月11日 ㈱日本デジタル研究所 ソフトウェアメンテナンスサービス契約
平成19年 5月22日 建物賃貸契約(どんぐりクラブ)
平成19年 6月 1日 建物賃貸契約(てんとう虫クラブ)
平成19年 6月 8日 顧問契約(社会保険労務士)
平成19年 6月  日 業務委託契約(事務局長)
平成19年 7月21日 基本協定締結/年度協定締結(東海岸児童クラブ)
平成19年 7月27日 株式会社損保ジャパン(5クラブ火災保険)
平成19年10月 1日 再雇用制度に関する労使協定書
平成19年10月10日 時間外労働・休日労働に関する協定届
平成19年12月26日 富士ゼロックス神奈川㈱トータルサービス契約
平成20年 3月 1日 再雇用契約(嘱託3名)
平成20年 3月 7日 株式会社損保ジャパン(8クラブ火災保険)
平成20年 3月11日 賃貸借契約(このはクラブ)
平成20年 3月11日 富士火災海上保険㈱(このはクラブ火災保険)
平成20年 3月21日 株式会社損保ジャパン(ひまわりクラブ火災保険)
平成20年 3月31日 東京海上日動火災保険株式会社 傷害保険
平成20年 3月31日 東京海上日動火災保険株式会社 賠償責任保険
平成20年 3月31日 東京海上日動火災保険株式会社 身元信用保険

 第3 事業の状況
 1 放課後児童健全育成事業
 ①内容

・日時:通年
・内容:児童の健全育成
・場所:市内15小学校区
・従事者人数:職員104人(常勤23名、非常勤81名)
・対象者:15小学校区在籍児とし、受益対象者延7,792名
・支出額:165,215,016円
 
 ②事業の成果

児童に対し、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校児童に授業の終了後に適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図ることができた。
 
 2 放課後児童の交流親睦事業
 ①内容

・日時:平成19年12月15日(土)
・内容:運動会
・場所:茅ヶ崎市総合体育館
・従事者人数:市内児童クラブ指導員及び当法人職員60名
・支出額:206,475円
 
 ②事業の成果

児童及び保護者等892名(児童416名、未就学児童92名、保護者384名)参加のもと実施し、市内18児童クラブの交流と親睦を図ることができた。
 
 3 職員の研修に関する事業
 ①内容

・日時:通年
・内容:関連団体等の研修に参加
・場所:関連団体の施設
・参加者人数:市内児童クラブ指導員及び当法人職員延579名
・支出額:1,105,115円
 
 ②事業の成果

職員を対象に、(財)児童健全育成推進財団、茅ヶ崎市、全国学童保育連絡協議会、神奈川県学童保育連絡協議会等主催の研修会に参加した。クラブ間研修等自主研修も開催し職員の資質向上に努めた。
 
 4 市民啓発及び広報に関する事業
 ①内容

・日時:11月3日
・内容:ふれあいまつりに参加
・場所:茅ヶ崎市中央公園
・対象者:市民
・支出額:16,757円
 
 ②事業の成果

秋のふれあいまつりに参加し、クラブの児童の作品等展示ブースを設け実施し、市民啓発、広報活動を行った。