平成20年度事業報告

第1:一般概要
 (1)事業報告

  2008年度は、市内18小学校区のうち15児童クラブで放課後児童健全育成事業を行った。15児童クラブのうち9児童クラブの『指定管理者業務』と6児童クラブの『委託業務』を行った。松浪児童クラブについては、4月より分室を開設し、21年度から委託業務の児童クラブとして、業務を行う予定である。今年度から指定管理者施設である香川児童クラブも、21年度に分割する予定である。これまで保護者会で『指定管理者業務』を行っていた今宿児童クラブ・梅田児童クラブ・浜須賀児童クラブも、10月に指定管理者の選定を行い、当法人が選定され、12月議会で承認された。21年度より市内18小学校区の全児童クラブの放課後児童健全育成事業を行う予定である。
今年度は、建物の建て替えの計画が進み、鶴嶺学区のクラブが公設化になり、柳島学区のクラブが借り上げ施設として建て替えられた。西浜・松林・室田の3学区も建物の建て替え計画が進行し、22年度中には全学区で、建物の建て替えが完了し、子供たちが放課後に過ごすクラブの生活環境や衛生面での向上が、実現される予定である。

児童クラブの利用者は、ここ数年増加が見込まれていた。市内初の公設児童クラブである今宿児童クラブは、かねてより狭小が指摘され、増築や分室開設等が検討されていた。当法人で建物の賃貸物件がみつかり、3月中に工事が完了し、21年度から使用開始することができた。20年度に開設した松浪学区の分室児童クラブは、21年度から学区内の第2児童クラブとして事業を開始するが、もともと狭小施設であったため、分室を新規に確保しなければならないほどになった。子供たちの生活環境が低下しないように、物件の確保が計画されたが、松浪・浜須賀地区は、児童クラブとして利用できる建物確保が困難な地区であったため、21年度初め開設はできなかったが、物件を賃貸契約することができ、21年4月中に開設する予定である。松浪学区と隣接する浜須賀児童クラブは、分室を確保していたが、松浪学区の物件探し中に、大きめの建物が見つかり賃貸契約ができ、浜須賀児童クラブの利用者増加に対応することが可能になった。
梅田児童クラブの分室クラブは、当法人でクラブ開設のための資金提供を行い、運営は指定管理者である保護者会が行っていたが、今年度中に第2クラブ用の建物が完成し、21年度から新施設での事業を開始できるようになった。旧分室は、建物の避難経路や耐震建物として不安があったため、移転せざるを得ない状況であったが、過年度にかけた多額の開設費用が、無駄になることはやむを得ないことである。また、第2クラブ・分室の設置は、前年度と今年度の経験を踏まえ、どのような視点で準備しなければならないか等のノウハウを積むことができた。
  保育業務については、保育事業部に専任の職員を配置することができ、21年度採用に向けて、マニュアル等の整備を開始することができた。また、指導員の視点で基準等が整備できたため、『障害児の受け入れ基準』や受け入れのための手順等、内容的に質の高いものができたと考える。指導員の経験がない中途採用の常勤職員についても、研修を行うことも可能になったため、採用時の不安払拭の一助になるものと思われる。
今後『保育の質の向上』にむけ、質の高いものが提供できるようになっていくものと思われる。
今年度は、『ライフスキルプログラム』の実施に向け大きく一歩が、踏み出せることが可能になった。『ライフスキルプログラム』は、WHO(世界保健機構)が推進しているもので、クラブでの子供達同士の環境改善と職員の視野が広まり、コーチング能力を育成できる期待がある。茅ヶ崎市の産業振興課から保育課を通して話があり、慶應大学の『ライフスキル研究会』と協力し、模索しながらテスト的に取り組んでいる。今後も継続して実施して行くように考えているので、何年か先に、職員の能力向上の一助になるものと思っている。

職員の処遇改善については、茅ヶ崎市との話し合いが進み、21年度から実施可能になる予定である。今年度中の7名の新規職員の採用は、旧給与体系での募集になったため、退職者の補充にしかならなかった。21年度の新規採用は、どの程度可能か、実際の資金繰りと照らし合わせながら、実施しなければならない状況が予想される。
今年度も、職員の退職が5名あり、職員2名体制のクラブから、異動により補充しなければならない状態になった。異動対象クラブの保護者会との関係や、異動した職員の精神的な面での問題が、また浮き彫りになった。今年度は、昨年の3月異動の経験を踏まえ時間を持ちながら進めていったが、異動対象職員は経験の浅いものが対象者であったため、前回同様の精神的な面での問題が生じた。異動は、職員だけの問題ではなく、職員と子供達との問題、職員と保護者との問題も誘発する可能性があるため、慎重に配慮しながら進めなければならないことと認識しているが、現実は待てない状況であることを理解していただきたい。職員の処遇が改善し、採用に弾みがつき組織的に対応可能になることが望まれるが、現実の状況が読めない状態である。今後も理事役員及び職員一同気を引き締め、子供たちの安全が、確保できるよう運営していく考えである。

子供達の安全な生活を保障できることを目標に、今年度も事業を進めていった。21年度も職員の採用を可能な限り進め配置しなければならない。積極的に研修等の充実を図りながら、保育士等の有資格者以外に臨床心理士等の専門知識を必要とされる頻度が高くなってきた。今後も可能な限り、茅ヶ崎市の児童クラブを利用する子供達が、安心して生活できる、職員体制が充実した組織の確立を進めていく考えである。


 (2)活動報告

  今年度も定期総会開催前に、市議会各会派に総会議案書を持参し簡単な懇談を行った。法人設立時から、放課後児童健全育成事業の前進を念頭に、市議会各会派との『議員懇談会』や『児童クラブの入所対象児童の拡充と茅ヶ崎市単独補助の実施』の署名活動等を行ってきた。今年度は21年度予算要求ができるように20年4月21日から正式に担当課と『第一回放課後児童健全育成事業委託料改定検討打ち合わせ』が始まり、職員の処遇改善に向けての打ち合わせが始まった。この打ち合わせは、毎月一回開催し現在も継続している。 21年度の予算要求に向けて、全国の全産業の給与、茅ヶ崎市の給与、外郭団体等の給与を調査し、『ちがさき学童保育の会』の給与表作成の段階に到達したことは、これまでの茅ヶ崎市における『学童保育』と呼ばれた時代から、多くの人たちがこの事業に携わってきた一つの成果と言えるのではないだろうか。この場を借りてあらためて感謝する次第である。また、法人を設立し、保護者会から会費を徴収して事務局の財源を作り、保護者の事務負担軽減を行ってきた。この事務局運営のための財源についても、茅ヶ崎市からの負担で運営することが可能になった。そのほかにも財源確保のために保護者から徴収してきた『入所金』の廃止や『学童保育誌』の購入依頼もなくなり、保護者の金銭的負担は21年度より大幅に軽減できることができた。これまでクラブの運営に関わってきた保護者会が、利用者としてこの事業にかかわるように変わっていくことは、これからの『放課後児童健全育成事業』に対する方向性を考えなくては、ならない時期に来ている。また、茅ヶ崎市から指定管理者として事業を行う法人は、これまで保護者・指導員が中心に行ってきた運動とは、理想と現実の矛盾と同様に、これから新たな問題として、一つの方向性を考えなくては、ならない時期に来ていると言える。

 第2:管理業務の状況
 1 役員等

(1)第4回定期総会(平成20年6月15日開催)において本日付で理事3名退任、3名が各々就任した。
 
 2 会議
 (1)総会

本年度の総会を、以下のとおり開催した。
①第4回定期総会 
ⅰ 開催日:平成20年6月15日(日)
ⅱ 場所:茅ヶ崎市青少年会館2Fホール
ⅲ 議決事項
   第一号議案:2007年度事業報告承認に関する件
   第二号議案:2007年度収支決算報告承認に関する件
   第三号議案:役員の選任に関する件
   第四号議案:2008年度経営方針及びクラブ運営方針承認に関する件
   第五号議案:2008年度事業計画承認に関する件
   第六号議案:2008年度収支予算承認に関する件
②臨時総会 
ⅰ 開催日:平成20年11月1日(土)
ⅱ 場所:茅ヶ崎市青少年会館 研修室
ⅲ 議決事項:議 案  第1回補正予算に関する件
 
 (2)会長会議

市内18クラブの保護者会会長が、クラブの課題等の解決に向け、以下のとおり開催した。
①第12回 平成20年 4月 5日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室   
②第13回 平成20年 5月 9日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
③第14回 平成20年 6月12日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
④第15回 平成20年 9月 6日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
⑤第16回 平成20年11月 1日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
⑥第17回 平成20年12月 6日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
⑦第18回 平成21年 1月10日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
⑧第19回 平成21年 2月 7日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
⑦第20回 平成21年 3月 7日(土)茅ヶ崎市青少年会館 研修室
 
 (3)理事会

本年度の理事会を、別表1のとおり開催した。
 
 (4)その他 

①平成20年7月15日(火)市役所において、市長と理事長・事務局長が出席し面談した。
②平成21年1月9日(月)市役所において、市長と事務局長が出席し面談した。
 

 3 事務局及び保育事業部

①平成21年3月31日現在における事務局については、常勤職員1名、非常勤職員4名で構成し、経理業務・登記業務・申請業務等の管理業務を行った。
②平成21年3月31日現在における保育事業部については、常勤職員2名、非常勤職員3名で構成し、各クラブ等の管理・支援業務を行った。
 
 4 登記事項

平成20年 7月 2日 理事変更登記(5/31付 7名退任、6/1付 7名重任)
平成20年 7月11日 理事変更登記(6/30付 7名辞任、7/1付 8名就任)
              及び 資産総額変更登記
平成20年 9月 6日 主たる事務所の住所変更登記
平成21年 1月14日 理事の住所変更登記
 
 5 申請、届出及び報告書事項

平成20年 4月14日 社会保険被保険者資格喪失届(退職者2名)提出
平成20年 4月14日 雇用保険被保険者資格喪失届(退職者2名)提出
平成20年 4月14日 雇用保険被保険者資格取得届(パート2名)提出
平成20年 4月14日 茅ヶ崎市法人市民税の減免申請 提出
平成20年 5月13日 労働保険 概算・確定保険料申告書 提出
平成20年 5月19日 社会保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成20年 5月19日 雇用保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成20年 5月20日 給食施設 新規申請(このはクラブ)提出
平成20年 5月22日 給食施設 住所変更届(ひまわりクラブ)提出
平成20年 7月11日 藤沢税務署 公益法人等の収支計算書の提出
平成20年 7月28日 社会保険被保険者報酬月額算定基礎届 提出
平成20年 8月 8日 社会保険被保険者賞与支払届 提出
平成20年 9月 1日 社会保険被保険者報酬月額変更届 提出
平成20年 9月22日 雇用保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成20年 9月22日 雇用保険事業所変更届提出
平成20年 9月30日 社会保険適用事業所所在地変更届 提出
平成20年10月 1日 雇用保険被保険者資格取得届(3名)提出
平成20年10月 3日 梅田児童クラブ 指定管理者  応募
平成20年10月 3日 今宿児童クラブ 指定管理者  応募
平成20年10月 3日 浜須賀児童クラブ 指定管理者 応募
平成20年10月 3日 小和田児童クラブ 指定管理者 応募
平成20年10月10日 藤沢税務署 納税地の異動に関する届出書 提出
平成20年11月 7日 社会保険被保険者資格喪失届
              (退職者1名、雇用形態変更1名)提出
平成20年11月 7日 雇用保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成20年12月25日 社会保険被保険者賞与支払届 提出
平成21年 1月15日 社会保険被保険者資格取得届(3名)提出
平成21年 1月19日 社会保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成21年 1月19日 雇用保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成21年 1月31日 雇用保険被保険者資格喪失届(退職者1名)提出
平成21年 2月24日 社会保険被保険者氏名変更届 提出
平成21年 2月 2日 平成20年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表 提出
平成21年 1月19日 各市町村市民税担当課へ「給与支払い届」提出
平成21年 2月 2日 茅ヶ崎市 償却資産申告書 提出
平成21年 2月27日 茅ヶ崎市後援名義使用申請(21年度運動会)提出
平成21年 3月12日 茅ヶ崎市特定退職金共済掛け金補助金申請 提出 

 6 契約に関する事項

平成20年 4月 1日 委託業務契約(6クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(緑が浜児童クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(小和田児童クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(浜之郷児童クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(小出児童クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(松浪児童クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(茅ヶ崎児童クラブ)
平成20年 4月 1日 年度協定締結(東海岸児童クラブ)
平成20年 4月 1日 基本協定/年度協定締結(香川児童クラブ)
平成20年 4月 1日 基本協定/年度協定締結(鶴嶺児童クラブ)
平成20年 4月 1日 総合警備保障㈱ 警備業務委託(浜之郷児童クラブ)
平成20年 4月 1日 セコム㈱ 警備業務委託(9クラブ)
平成20年 4月 1日 昭和ドアー販売㈱ 自動ドアー保守契約
平成20年 4月 1日 職員雇用契約(常勤19名、非常勤74名、事務局6名)
平成20年 4月 1日 職員再雇用契約(3名)
平成20年 4月 1日 15クラブ 36協定
平成20年 4月17日 ボランティア活動保険 加入(保護者10名)
平成20年 5月 1日 天野正明 ホームページ更新契約
平成20年 5月11日 廣江基一 社会保険労務士 顧問契約
平成20年 5月15日 ボランティア活動保険 加入(保護者2名)
平成20年 7月18日 ボランティア活動保険 加入(保護者359名)
平成20年 7月23日 ボランティア活動保険 加入(保護者2名)
平成20年 7月30日 ボランティア活動保険 加入(保護者2名)
平成20年 9月12日 店舗賃貸借契約(事務局)
平成20年 9月18日 更新 駐車場契約(松浪・緑が浜児童クラブ
平成20年 9月21日 新規 賃貸契約(どんぐりクラブ)
平成20年 9月26日 ㈱損保ジャパン 火災保険(どんぐりクラブ)
平成20年 9月29日 日本興亜損保 火災保険(事務局)
平成20年 9月30日 セコム㈱ 警備業務委託(事務局)
平成20年10月 8日 三菱UFJニコス㈱ カード決済委託契約
平成20年10月30日 更新 賃貸契約(おおぞらクラブ)
平成20年12月15日 ㈱損保ジャパン 個人情報漏えい保険加入
平成20年12月18日 更新 賃貸契約(すぎの子くらぶ)
平成20年 1月31日 ソフトバンクモバイル㈱契約(全クラブ、事務局)
平成21年 2月21日 新規 賃貸契約(にじいろクラブ)
平成21年 2月23日 金銭消費貸借契約(つくしんぼクラブ)
平成21年 2月28日 新規 賃貸契約(ぽぽんたクラブ)
平成21年 2月28日 新規 賃貸契約(こなみクラブ)
平成21年 3月18日 ソフトバンクテレコムパートナーズ㈱契約(全クラブ)
平成21年 3月30日 エース損害保険㈱ 傷害保険
平成21年 3月30日 東京海上日動火災保険㈱ 賠償責任保険
平成21年 3月30日 東京海上日動火災保険㈱ 事業活動包括保険
平成21年 3月30日 東京海上日動火災保険㈱ 身元信用保険
平成21年 3月31日 新規 賃貸契約(このはクラブ分室)

 第3 事業の状況
 1 放課後児童健全育成事業
 ①内容

・日時:通年
・内容:児童の健全育成
・場所:市内15小学校区
・従事者人数:職員114人(常勤21名、非常勤93名)
・対象者:15小学校区在籍児とし、受益対象者延7,896名
・支出額:158,951,538円
 
 ②事業の成果

児童に対し、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校児童に授業の終了後に適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図ることができた。
 
 2 放課後児童の交流親睦事業
 ①内容

・日時:平成20年11月29日(土)
・内容:運動会
・場所:茅ヶ崎市総合体育館
・従事者人数:市内児童クラブ指導員及び当法人職員61名
・支出額:183,742円
 
 ②事業の成果

児童及び保護者等744名(児童378名、未就学児童66名、保護者300  名)参加のもと実施し、市内18児童クラブの交流と親睦を図ることができた。
 
 3 職員の研修に関する事業
 ①内容

・日時:通年
・内容:関連団体等の研修に参加
・場所:関連団体の施設
・参加者人数:市内児童クラブ指導員及び当法人職員延387名
・支出額:1,208,852円
 
 ②事業の成果

職員を対象に、(財)児童健全育成推進財団、茅ヶ崎市、全国学童保育連絡協議会、神奈川県学童保育連絡協議会等主催の研修会に参加した。クラブ間研修等自主研修も開催し職員の資質向上に努めた。
 
 4 市民啓発及び広報に関する事業
 ①内容

・日時:11月3日(土)
・内容:ふれあいまつりに参加
・場所:茅ヶ崎市中央公園
・対象者:市民
・支出額:31,009円
 
 ②事業の成果

秋のふれあいまつりに参加し、クラブの児童の作品等展示ブースを設け実施し、市民啓発、広報活動を行った。
 
 5 放課後児童の体験に関する事業
 ①農作業を体験させる事業

・日時:平成20年6~11月
・内容:もち米作り
・場所:茅ヶ崎市芹沢
・対象者:クラブ利用児童及び保護者
・支出額:53,967円
 

 ②事業の成果

児童8名、保護者等9名、指導員4名、役員2名、事務局員3名参加のもと田植え、稲刈り等を実施し、収穫したもち米を市内全児童クラブに配布し、おやつとして利用した。今後児童の体験事業を行うための実績になった。